書評:オートマトン・言語理論の基礎
先日からオートマトンと言語理論について再学習しています。大学時代に齧ったんだけど、じっくり学び直したいと思い20年ぶりに勉強をしてみました。今日はそんな私が教科書に選んだ1冊をレビューします。
タイトル;オートマトン・言語理論の基礎
おすすめ度:★★★★☆
対象読者:(離散数学を勉強していない)工学部などの学部生
前提知識:特になし(若干、集合論の基礎)
Good Point:
- 離散数学の知識なしに学習できる。このため、定理の証明は少なめ。
- Youtubeで無料で公開されている福井大学の授業で使われている。
- 計算モデルと言語をきっちり分けて説明し、最後にその対応をとっている。このため、読者が計算モデルの世界と言語の世界を行ったり来たりしないで理解することができてすごく良い。
Bad Point:
- 計算可能性などのトピックまでは踏み込めていない。あくまで入門レベル。
- 後半になると説明が若干雑に感じるところがある
総評:理学部ではなく工学部の学生にとってはひじょうに良い本だと思います。理学部の学生にはもうちょっと数学的に解説された本の方が合っていると思います。
